2010|優勝(文部科学大臣賞)・市民賞

『男も見守る携帯アプリ ウームメン』

有田工業高等学校(佐賀県)
榎悠太(3年)/草場卓人(3年)/杉野陽平(3年) 指導教員:野田和弘 教諭

携帯アプリで、お腹の赤ちゃんの成長を夫婦で共有。

育児は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時から既に始まっています。近年、男性の育児参加が盛んになってきているものの、これは子どもが産まれてからの家事や子育てという意味合いが強いように思います。妊娠中の女性は、男性の手助けを必要としているのです。男性が妊娠中の育児に参加できる良い方法はないかと考え、携帯電話のアプリケーション「ウームメン」を提案します。ウームメンは、妊娠中に役立つ知識を手に入れたり、お腹の中の赤ちゃんをもっと身近に感じられるようになるためのアプリケーションです。夫婦ふたりで登録しますが、妊娠中の奥さんを支えるために、主に旦那さんが活用します。産婦人科や助産院で所定の手続きを行うと、ダウンロードできるようになります。これは、病院と提携して情報の更新や管理を行うためです。トップページには、お腹の中の赤ちゃんとリンクしたアイコンが常時表示され、検診に行く度に実際の成長に合わせて大きくなっていきます。この赤ちゃんアイコンは、妊娠に役立つ知識を教えてくれるほか、奥さんが直接旦那さんに言いにくい要望やメッセージなどを代わりにつぶやいてくれます。その他にも、例えば『胎動バイブレーション』は、お腹の中の赤ちゃんが動くのを感じたら、奥さんがボタンひとつで旦那さんにそれを伝えることのできる機能です。胎動の喜びを夫婦二人で共有することによって、家族の愛情を育みます。ウームメンを使って、夫婦がお互いを思いやる気持ちも同時に育んでもらい、その愛情を産まれてきた子どもに注いでほしいと思います。

『男も見守る携帯アプリ ウームメン』
『男も見守る携帯アプリ ウームメン』

一次審査提案パネル  PDFダウンロード

受賞者の声

榎悠太 Yuta Enoki

榎悠太 Yuta Enoki

予定していた推薦受験日とプレゼン当日が重なってしまい、悩んだ末、デザセンを選びました。準備期間はデザセン漬けの毎日。先生と喧嘩したり、考えすぎてやけになったり…かなり混沌としていたと思います。「優勝」より「良いプレゼンをする」ことに意識をおいて練習。大会では女装が好評で、多くの方に声をかけてもらいました。

草場卓人 Takuto Kusaba

草場卓人 Takuto Kusaba

決勝が決まった時は、喜び半分不安半分でしたが、山形に向かう頃には初めの想像を遙かに超える安心と自信を持って決勝に臨むことができました。発表の準備をする上で、先生やサポーターの方々の支えがあってこそのことだと思います。デザセンに費やした時間は、自分たちにとって確実に濃くて、ためになる素晴らしいひとときでした。

杉野陽平 Yohei Sugino

杉野陽平 Yohei Sugino

私が1年の時に3 年の先輩方がデザセンの決勝大会に出場。そして今、3 年生になった私達が、今回決勝に出場できたことを誇りに思います。準備期間は「どうすればわかりやすく伝えられるか」を考え、3人で悩みました。優勝をいただけたのも、先生方をはじめ、サポートスタッフの皆さんや多くの方の協力があってのことだと思っています。

野田和弘 教諭 Kazuhiro Noda

野田和弘 教諭 Kazuhiro Noda

デザセンは、生徒がどれだけのアイデアを出せるか?毎回手探り状態で始まります。何もないところから始める事に慣れていない生徒達に、発想のきっかけを掴ませるためには指導する側も様々な工夫をし、その力量を試されているように感じます。そして生徒と同じように悩みます。生徒からアイデアをうまく引き出すことは、自分で考える事の数倍の労力が必要で、今回は今までに体験したことがないような産みの苦しみがありました。しかし、作業を進めていくにつれ「これは面白いものになる」という感触が皆の中に生まれてきて、私自身ものめり込んでいきました。指導者の考えを押しつけず、一つずつ生徒が発見していくことを大切にし、つかず離れずの距離感を保ちながら…。優勝という結果は、これまでの苦労が一掃されるものでした。また、9月から大会までの期間、事務局・学生スタッフの皆さんの支援と、学校内外での多くの方々より取材協力・資料提供をしていただきました。生徒達も大変良い体験をさせていただき、今後の進路に向けて大きな自信になったことだと思います。そして、生徒達がデザセンを通じて大きく成長できたことに感謝します。ありがとうございました。