『災害時における空き家の有効活用法』

伊東高等学校城ヶ崎分校(静岡県)
佐藤恭子(3年)/松浦茉莉子(3年)/木部美菜恵(3年) 大津忍 教諭

非難生活は空き家が解決

総務省が発表した平成25年住宅・土地統計調査によると、現在日本には空き家は820万戸。このままでは2040年に空き家率が40%を超える試算です。この現状を踏まえ、2015年5月に「空き家対策特別措置法」が制定されました。しかし少子高齢化や過疎化などもあり、空き家問題は簡単に解決できる状況ではありません。一方で、東日本大震災で家を失った避難生活者は、2015年8月の時点で全国にまだ199,000人もいます。仮説住宅の入居には時間がかかり、交通の利便性、プライバシーの問題もあります。私たちが暮らす静岡県でも今後、南海トラフによる大地震が発生した場合、避難生活を強いられる世帯は東日本大震災の20倍と予測されています。私たちは、この災害時の仮説住宅不足問題と空き家の問題を、一つの問題だと捉えた解決策を考えました。様々な問題が絡み合う難しい課題ですが、このデザセンでの発表が、私たちの考えを多くの空き家の家主のみなさんに知っていただけるよう、訴えかけられる場となればと思います。

『災害時における空き家の有効活用法』
『災害時における空き家の有効活用法』

二次審査時の提案パネル  PDFダウンロード

受賞者の声

佐藤恭子(3年)

佐藤恭子(3年)

初めての決勝大会に、友人2人と大津先生と行けたことを嬉しく思います。練習が上手くいかず、山で3人で大声を出しながら台本を読み上げたり、お菓子を深夜に食べたり。大会はとても緊張しましたが、こういった経験は二度とできないと思うので、経験できて良かったです。大会を通して、みんながもっと好きになりました。

松浦茉莉子(3年)

松浦茉莉子(3年)

今回で2回目の決勝大会出場でした。前回は楽しい提案だったので難しく考えることも少なかったですが、今回のテーマは「地震と空き家」についてで、金銭面やプロジェクトの進行などを、深く考える必要がありとても大変に思いました。来年から大学生になり、自分の力で考える機会がとても増えると思うので、大会に出場した経験を生かしていきたいと思います。

木部美菜恵(3年)

木部美菜恵(3年)

今回の全国大会には、様々な思い出があります。プレゼンまでの準備期間に3人で協力したことや、リハーサルで失敗したことも私の将来に大きな力になると思います。デザセンでの様々な提案は確実に社会に影響を与えていると感じています。私達の提案も少しでも社会の為に役立ってくれたら嬉しいです。

大津忍 教諭

大津忍 教諭

決勝大会への出場は今回で通算9回目になりますが、毎年生徒も私自身も楽しみにしている大会です。結果が良いこともあれば悪いこともあり、その度にデザセンの難しさを思い知らされます。本校の今までの提案は、まくら投げや雑巾がけなどどちらかというと楽しく取り組むことが出来るテーマが多く、今回の空き家のような社会性のある大きなテーマは初めてで、いろいろな面で勉強になることが多かった大会でした。生徒にとっても今回のプレゼンは伝えたいことを伝えるという単純なことが、そう簡単なことではないと実感したのではないでしょうか。それでも大会の準備やプレゼンの練習を通して経験したこと、決勝の舞台で緊張したことなど、高校生の彼女らにとってみれば、これ以上ない経験が出来たと思います。デザセンを支えているすべての関係者、スタッフの方々には本当にお世話になりました。改めてお礼を言いたいと思います。

デザセン学生スタッフからの応援メッセージ

プレゼン舞台上では、緊張との戦いでしたね。練習ではスラスラ言えていた台詞がリハーサルでは何度か言葉が止まったりして、本番への不安が残ってしまうかなと心配していましたが、皆で楽しく台詞合わせをしたりする前向きな姿がみられました。そうしたみなさんを見ていて、自分に自信を持つためには、無理やりにでも心に余裕を作り、視野を広げることが大切なのだと改めて気づかされました。今回提案してくれた空き家の問題は、呼びかけの言葉だけでは解決しない難しい問題も多々あると思いますが、みなさんが考えた原点となるこの提案は、多くの人に考えてもらえる「きっかけ」を作れたと思います。

チームサポート
山下摩琴(グラフィックデザイン学科3年)
阿部正太郎(コミュニティデザイン学2年)