『ヒッチイキ・ハイク』

西脇高等学校(兵庫県)
久保 杏さん(3年)/村上真子さん(3年)/高橋鈴華さん(3年) 宮田麻美 教諭

思いやりの新たな交通手段

私たちが住んでいる西脇市の人口は4万人。そのうち31%が65歳以上の高齢者で、公共交通空白地に住んでいる人も12000人います。その人たちは、交通手段に困り、日常生活に支障が出ています。そこで私たちはヒッチ・ハイクを地域で行う新たな交通手段を提案します。金銭の関係をなくし、人が助け合い、繋がる、思いやりのあふれる町へ!

『ヒッチイキ・ハイク』
『ヒッチイキ・ハイク』

二次審査時の提案パネル  PDFダウンロード

受賞者の声

『ヒッチイキ・ハイク』

1、自分たちがデザインの対象に挙げたテーマについて、デザセンでの取り組み前後で、考えや行動が変化したことはありますか?

今回の提案で私たちが一番重要視していたのは「あたたかみ」です。私たちはまだ車を運転できない年齢ですが、近くに困っている人がいたら声をかけることの大切さも学びました。(久保)

私たちが心で思っているだけで実行に移すのではなく、その人の立場で、何をもとめているのかも含めて調べることの大切さを考えるようになりました(高橋)

西脇市の現状を知っていながら今まではスルーしてきたことを、自分の住んでいる市として見つめなおすことができました。結局何があかんのか、これからどうしていけばよいのか今回デザセンで解決策を自分たちなりに考えてこられたので、ここで終わらず行動に移していきたいと思いました。(村上)

2、デザセンの参加を通して「デザインすること」について自分たちの考えや行動が変化したことを教えてください。

形にしなくては!という固定概念がありましたが、形にならないデザインを考える機会が増えました。(久保)

どのような「もの」を作ったら高齢者のためになるかを考えてきましたが、「人が困っている時のコミュニケーションも立派なデザイン」と学生スタッフの方に教えてもらうことができました。(村上)

今は便利になりすぎていて、自分たちにとって何が不便なのかを見つけることが大変でしたが、アイデアそのものがデザインになることを学びました。(高橋)

チームワーク審査員からのメッセージ

最近、課題を解決するアイデアとして「アプリ」「ポイント制」などで課題の解決方法提案しているチームがとても多いのですが、そうなると特徴を持った良い課題に対して、どれも似た解決方法になってしまいます。車の免許もまだ持たない彼女たちが、「プラチナカード」という魅力的な仕組みを考えられたのは、車社会+高齢化によって陥った社会課題を「あたたかみ」という「思い」で向き合ったことにあったと思います。またそんな思いを大切にできる彼女たちだからこその元気と仲の良さで、緊張を緩和しあいプレゼンまでの様々な困難を乗り越えられるチームワークが築けていたことが、私たちがこのチームにチームワーク賞をプレゼントした一番の理由でした。これからも「思い」から社会に向き合いながら、素敵なアイデアがたくさん出せる3人になっていくような気がします。
コミュニティデザイン学科2年 照井麻美