『古語に歌はむ』

仙台二華高等学校(宮城県)
髙橋舞(1年)/吉川綾乃(1年)/渡部早紀(1年) 鈴木雅之 教諭

古語に親しむ現代歌の歌い方。

何のために勉強するのか、誰もが一度はそう思うことでしょう。私達のクラスの授業でアンケートを採ったときも、その半数が、古語は授業で習うだけでは意味が分かりにくく勉強する意味が見出せないでいるという結果が出ました。また古語は実際に昔の人が使っていた言葉ですが、今、こうして私たちが使っている言葉もいずれは古語となり、忘れられていくでしょう。それを想像すると悲しい気持ちになります。そこで古語の新しい楽しみ方として、誰もが知っている現代の歌を古語に「意訳」するアイデアを思いつきました。「意訳」は、文章の意味やニュアンスをくみとって翻訳することですが、文章の文脈から真意をとらえる面白さがあります。たとえば『ドラえもんのうた』の歌詞「不思議なポッケ」は「あやしきふところ」、西野カナの『会いたくて、会いたくて』の歌詞「会いたくて震える」は「恋わびてわななく」などです。直訳と違い、自分の言葉で韻を踏むこともできます。古語を通して時空を越え、昔の人の思いに共感できる楽しさを味わってみてください。

『古語に歌はむ』
『古語に歌はむ』

二次審査時の提案パネル  PDFダウンロード

受賞者の声

髙橋舞(1年)

髙橋舞(1年)

決勝大会への出場が決まった時、驚きとともにデザセンへの情熱が湧き上がりました。シナリオの大幅変更や突然のピアノ伴奏練習など壁は多くありましたが、周りのサポートのおかげもあり、3位という結果を残し、素晴らしい思い出となりました。大会出場を通して、ハプニングへの対応力、観衆に分かりやすいプレゼンを考える力、自己の緊張感をコントロールする力が身についたと思います。

吉川綾乃(1年)

吉川綾乃(1年)

実現可能かつ面白いアイデアを考えたり、大学生のチームサポーターのお二人に意見をいただきながらプレゼン中の動きを工夫したりしたことは良い経験でした。社会の問題を解決するためのアイデアを高校生の私たちから発信できた貴重な経験でした。自分たちでアイデアを考えるところから発表するときの工夫まで考えることはなかなかできない機会でしたが、やり遂げることで成長できたと思います。

渡部早紀(1年)

渡部早紀(1年)

「全国大会出場」と聞いたときは本当に信じられませんでした。プレゼンを深めていくにあたり内容の変更など困難にぶつかることも多々ありましたが、1つのことに熱中する楽しさを感じ、優勝を目指してチーム内で高めあうことができました。「デザインの楽しさ」「自分以外の誰かと協力する大切さ」に触れた貴重な体験を通してひとまわり成長できました。

鈴木雅之 教諭

鈴木雅之 教諭

挑戦2年目で決勝大会に出場することができました。出場決定の知らせを聞いたときは、中学(デザセンJr.)とのダブル出場でもあったので嬉しさいっぱいで思わず飛び上がりました。今回の「現代歌を古語にして歌う」提案は、初めはアプリによる自動変換プログラムとしてアイデアを企画していました。しかしプレゼンのシナリオを生徒たちと作成する中で、古語の現代語訳を国語の先生から教わるうちに意訳の大切さを知りました。「古語嫌いの生徒が意訳の意味を知り時空を越えた共感を体験する」というストーリーはまさに今回出場したメンバーの彼女達と私のドキュメントそのものです。その発表を全国3位として認めてもらったことは本当に嬉しく励みになりました。この発表を通し、様々な人々とのつながりの大切さを実感しました。デザセン事務局、学生スタッフの皆さん、貴重な経験をありがとうございました。

デザセン学生スタッフからの応援メッセージ

誰もが知っている現代の歌を、古語の意訳で歌うアイデアはとても素敵でした。今後はそれをどう育てていくかが大事だと思います。考えたアイデアをどう深めるのかは、例えばターゲット(高校の先生?生徒?一般の方?)をより具体的に設定すると良いかもしれません。その人々に対し、アイデアをどのように届けていくかなどの具体策があれば、さらに広がるアイデアになっていくと感じました。出番直前まで、自分たちのプレゼンに客観的な意見を取り入れ、改善を重ねていたところが素晴らしかったです。そして本番は練習の時よりも堂々として楽しげ。3人の度胸を感じました。3位入賞本当におめでとうございます!来年は優勝目指してさらなるステップアップを期待しています!

チームサポート 
大友爽登(企画構想学科2年)
白田万柚子(コミュニティデザイン学科2年)