『ポジションバッチ POTCH』

新庄神室産業高等学校(山形県)
設楽由加里(3年)/大場聖良(3年)/江口千夏(3年) 指導教員:松田宏美 教諭

友だちになるきっかけをつくってくれるバッチ。

コミュニティサイトの閲覧や書き込み、メールのやり取りをしたことがないという高校生はほとんどいないと思います。一方で、全校生徒にアンケートを行った結果、半数以上がコミュニケーション不足を感じていることが分かりました。「はずかしい」などの理由で、会話でのコミュニケーションが減っているのです。そこで、一目見ただけでどんな人なのかが分かり、声をかけるきっかけになる「ポジションバッチ POTCH」を提案します。これは、自衛官が付けている記章のように、役職や栄光を表していて、例えば生徒会の各委員長が付けられるPOTCH、皆勤賞の場合に付けられるPOTCH、ボランティアに参加すると付けられるPOTCHなどがあります。POTCHをたくさん集めて制服をアレンジすれば、個性や人柄も表現でき、自分に自信がつくと思います。

『ポジションバッチ POTCH』
『ポジションバッチ POTCH』

一次審査提案パネル  PDFダウンロード

受賞者の声

設楽由加里 Yukari Shitara

設楽由加里 Yukari Shitara

発表の日まで、プレゼンの構成を考えることからはじまり、シナリオ作成、模型作成などとても1人でできるような作業ではありませんでした。友達、先生方、家族、そして1ヶ月一緒に悩み考えてきた宏美先生、みんなの協力や応援を7分間の発表で出しきることができました。最高のプレゼンができ、とても良い経験になりました。

大場聖良 Kiyora Oba

大場聖良 Kiyora Oba

先輩方は準優勝という成績を残し、また我校最後の建築デザイン科というプレッシャーがありましたが、先生方や家族の協力のお陰で本番に臨むことができました。緊張から悔いの残る部分もありましたが、自分たちらしいプレゼンができたと思います。いろんな意味で思い出を作ることができ、自分自身大きく成長できたように感じました。

江口千夏 Chinatsu Eguchi

江口千夏 Chinatsu Eguchi

提案内容をしっかり伝えるために、放課後や休日も学校でたくさんの先生方や生徒の皆さんに協力してもらい、模型の作成や原稿を考えたりしました。決勝大会で発表できたことは、高校3年間の思い出のひとつです。私たちの発表のために、協力してくださった先生方や生徒の皆さん、学生スタッフの方々、ありがとうございました。

松田宏美 教諭 Hiromi Matsuda

松田宏美 教諭 Hiromi Matsuda

デザセン2010決勝大会の舞台で本校生3人は、日頃のコミュニケーション不足をバッチによって解決するという高校生らしい目線で、明るく元気にプレゼンをしてくれました。生徒たちは昨年の準優勝というプレッシャーを抱えながらも、こんな写真を使いたい、制服の模型を作りたいなどと考えがしっかりまとまっていたように感じました。表彰式後、3人が涙を流している姿をみて私自身、上位入賞させてあげられなかった後悔も残りました。この気持ちを来年の指導に結びつけ、デザインを考える時に「新しいか、楽しいか、誰を幸せにするか」の3つの視点を重視して教えていきたいと思います。また報告として、昨年プレゼンした『食べる絵の具 ハピ・ベジ』も各方面から反響があり、ぜひ商品化してほしいという要望がありました。そしてその実現に向けて卒業生と共に商標登録や商品開発に取り組み、この度商品化の目処がつきました。このように、たくさんの高校生のアイディアが社会や暮らしのなかで実用化され、「みんなが笑顔になる…」今はそれが何よりも楽しみです。