桃野幸文 Yukifumi Momono
部活の先生に薦められ、そこから僕たちのデザセンが始まりました。様々な案の中から「化学部なのだから化学に関することで勝負したい」という僕のわがままと、2人の懸命な努力によってこの提案が生まれました。ルールの調整が長引いてしまい、全員が納得のいく出来ではありませんでしたが高校生になって初めて大きな経験ができました。
仙台第二高等学校(宮城県)
桃野幸文(1年)/山崎知之(1年)/大村啓貴(1年) 指導教員:渡辺尚 教諭
近年、子どもたちの理科離れが叫ばれており、このままでは日本の科学産業の衰退は必死です。その根底には、大人の科学リテラシーの不足があるとも言われています。文系の人や小さな子どもたちにも有機化学を楽しく理解してもらいたいと考え、「有機化学カードゲーム」を提案します。4人で遊ぶ場合、炭素カードと酸素カードを1枚ずつ、塩素もしくは窒素カードのどちらかを1枚、水素カードを4枚ずつ配ります。場の中央に炭素カードを置き、1番目のプレイヤーから順番に、元素の手が繋がるようにカードを置いていきます。水素カードで最後の手をふさいだプレイヤーが、場に完成した分子量分の得点を獲得できます。このゲームによって、子どもが科学に興味を持てるよう促してくれる大人が、もっと社会に増えたらと思います。
一次審査提案パネル PDFダウンロード
部活の先生に薦められ、そこから僕たちのデザセンが始まりました。様々な案の中から「化学部なのだから化学に関することで勝負したい」という僕のわがままと、2人の懸命な努力によってこの提案が生まれました。ルールの調整が長引いてしまい、全員が納得のいく出来ではありませんでしたが高校生になって初めて大きな経験ができました。
決勝大会では準備不足で満足できない結果になってしまったことが心残りではありますが、他のチームのプレゼンから学んだことも多く、参加してよかったです。手探りで準備に取り掛かっていた我々をサポートしてくださった先生やスタッフの方々には何度お礼を言っても足りません。チームの2人にも助けられました。本当にありがとう。
決勝大会出場が決まったと聞いたときは、選ばれるとは思っていなかったのでとても驚き、同時に「これからどうしたらいいんだろう」と不安でいっぱいになりました。シナリオや小道具作りと苦難の連続。当日のリハーサルも緊張で頭は真っ白。でもその時にスタッフの方々が私たちを励まし、応援してくれてとても嬉しかったです。
私自身のデザセン参加は第5回大会以来(初任校勤務4年目の時)でした。当時は車椅子の生徒を中心とした1チームのみの参加でした。決勝大会をチームで観客席から参観し、「これはすごい大会だ!」と感嘆した記憶があります。あれから12年が経過しました。その時の熱い想いが、今回新たな赴任先からのエントリーにつながりました。プレゼン能力を研く場としては、ここより効果的な場所は存じません。現在勤務している高校では、多くの科学者の卵達を抱えておりますが、このデザセンの決勝大会の舞台に立つことの意義は揺るぎません。今回は化学部の3年生が他大学へ論文発表会および表彰式に出席と重なっておりましたが、顧問の私は迷わず、12年間夢見続けたこの決勝の舞台に参戦いたした次第です。もちろん部員の1・2年生全員を決勝大会会場に連れてライブ観戦させました。生徒達に与えたこのインパクトは、彼らの一生の財産となることでしょう。